投資の話をすると、必ず出てくる言葉があります。
「オルカン」
初めて聞いたとき、わたしは「オル缶? 缶詰みたいな名前だな」と思いました。
おじいわんオルカン?なんかおいしそうな名前だね



わたしも最初は缶詰かと思ったよ。正解は投資信託の名前。世界中の株がぎゅっと詰まった商品なんだよ



世界中!それはすごいね。ぼくのおやつも世界中から選んでほしいな!
「オルカン」という言葉に初めてふれる人はたいてい「?」となります。
今日は、そんな「オルカンってなに?」という疑問に、できるだけわかりやすく答えてみます。
オルカンって、なんのこと?


ひとことで言うと、オルカンは「世界中の株の詰め合わせパック」です。
「オルカン」は正式名称を「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(イーマクシス・スリム・ぜんせかいかぶしき)といいます。
三菱UFJアセットマネジメントが運用している「投資信託(とうししんたく)」の一種です。
投資信託というのは、たくさんの人からお金を集めて、まとめて投資してくれる商品のこと。
自分で個別の株を選ぶ必要はなく、運用会社が代わりに銘柄選びや管理をしてくれます。
その中でも「オルカン」が特別なのは、世界中の株式に一気に分散して投資できる点です。
投資先は約50カ国・約2,500銘柄にのぼります(2026年4月末時点)。
アメリカのAppleやMicrosoft、日本のトヨタや三菱UFJ、ヨーロッパやアジアの企業まで、世界を代表する企業群にまとめてお金を預けているイメージです。
「全世界」って、どこの国の株が入ってるの?



世界中って言われても、実際どこの国が多いの?



気になるよね。実際の地域別の割合を見てみよう
実際の地域別の割合(2026年4月末時点のおおよその目安)はこんな感じです。
| 地域 | 割合(目安) |
|---|---|
| アメリカ | 約63% |
| 日本 | 約5% |
| イギリス | 約3% |
| その他先進国 | 約17% |
| 新興国(台湾・韓国・中国など) | 約12% |
※割合は時価総額(じかそうがく。会社の大きさをお金で表したもの)によって日々変動します。
アメリカ株が大半を占めていますが、「世界全体に分散」しているのがポイントです。



日本もちゃんと入っているんだね!
特定の国や企業の調子が悪くても、他の国や企業がカバーしてくれる構造になっています。
この配分は、オルカンが「MSCI ACWI(エムエスシーアイ・エーシーダブリューアイ)指数」という、世界中の株式を集めた指標に連動するよう設計されているためです。



エムエスシーアイ?む、むずかしいね



むりに覚えなくていいよ。説明するね
MSCI ACWIとは?
簡単に言うと、「世界の株式市場全体をまとめた成績表」のようなもの。
世界経済が成長すれば、この指数も一緒に上がっていくというイメージです。
なぜ「オルカン」は初心者に人気なの?


オルカンが多くの投資初心者に選ばれているのには理由があります。
1. これ一つ買えば全世界に分散投資できる
本来、分散投資をしようと思ったら「アメリカ株のファンド」「日本株のファンド」「新興国のファンド」などを組み合わせる必要があります。でもオルカン一本で、それが全部まかなえます。
これは、オルカンが「インデックス投資」という考え方にもとづいた商品だからです。
インデックス投資のイメージは「バイキングレストランで全種類を少しずつ楽しむ」こと。
1種類だけ選ぶ個別株投資と違い、全体の平均に乗っかるのがインデックス投資の考え方です。
オルカンはそのバイキングレストランの中でも「世界中の料理が全部揃っている」最も間口の広い商品です。
インデックス投資の仕組みそのものについては、こちらの記事でくわしく解説しています。
▼ インデックス投資ってなんだろう?
【500円からはじめるインデックス投資】インデックス投資ってなんだろう?初心者におすすめの理由とは?
2. コストが低い
オルカンの信託報酬(しんたくほうしゅう)は年率0.05775%(税込)。これは業界最低水準と言われる水準です。
パーセントで見ると小さく感じますが、長期投資では積み重なるコストが重要です。



信託報酬ってなに?



投資信託を持っている間、毎年かかる運用管理費用のことよ



そっか、ぼくたちの代わりに管理してくれてるからね!手数料だね!
たとえば10万円を1年間預けていた場合、信託報酬は約58円。
100万円なら約578円です。コーヒー1杯分くらいのコストで、世界中に分散投資できるイメージです。
3. 「つみたて投資枠」の対象
NISA(2024年からスタートした現行の制度。「新NISA」と呼ばれることもあります)のつみたて投資枠の対象商品に選ばれており、税制優遇を受けながら長期積立ができます。
4. 中身が自動で入れ替わるので、ほったらかしでOK
オルカンのもうひとつのいいところは、どの会社を組み入れるかを自分で考えなくていいことです。
オルカンは「世界中の株をルールに沿って集める」設計なので、新しく大きく成長した企業は自動で組み入れられ、勢いを失った企業は外れていきます。この入れ替えは、運用会社が代わりにやってくれます。



じゃあ、ぼくは何もしなくていいの?



そうなの。「次はどの会社が伸びるかな」と考えて買い替えなくていいんだよ
「今はこの会社が人気だけど、10年後はどうだろう?」——そんな心配をしなくても、オルカンが時代に合わせて中身を入れ替えてくれます。初心者ほど、この考えなくてもいい仕組みはありがたいはずです。
わたし自身もNISAでオルカンを積み立てています。「シンプルで管理が楽」というのが、続けてみての正直な感想です。
オルカンの利回りと値動き(チャート)はどれくらい?
「オルカンって、結局どれくらい増えるの?」というのは、いちばん気になるところですよね。
正直にお伝えすると、将来どれくらい増えるかは誰にもわかりません。
ただ、過去の実績は参考になります。
オルカンが連動する全世界株式の指数(MSCI ACWI)は、過去の長い期間で見ると年平均でおおよそ5〜8%程度のリターンだったとされています(※見方や期間で変わります。たとえば過去30年は年平均8%前後、100年以上の超長期では実質5%台という見方もあります)。
ただし、これは「毎年コンスタントに増える」という意味ではありません。



ほっといたら毎年8%ずつ増えるんじゃないの?



そうじゃないの。上がる年もあれば、大きく下がる年もあって、ならすと結果的にそのくらい、ということだよ
値動き(チャート)で見ると、短期では上がったり下がったりを繰り返しますが、長い目で見ると世界経済の成長とともに右肩上がりの傾向でした。
短期では大きく下がる時期もありますが、長い目で見れば、時間をかけて値を戻してきました。


このグラフは、オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)の基準価額の推移です。
途中にはコロナショックや2022年の下落もありましたが、そのつど回復してきました。
だからこそ、短期の値動きに一喜一憂せず、長期でコツコツ続けることが大切です。すぐに使う予定のお金ではなく、当面使わない余裕資金で取り組むのが安心です。
(※過去の実績であり、将来の利回りを保証するものではありません。元本割れの可能性もあります。投資は自己判断・自己責任でお願いします。)
オルカンのデメリット 注意点も知っておこう
ここまでメリットを中心に紹介してきましたが、オルカンにも注意しておきたい点はあります。
買う前に知っておくと、値動きがあっても落ち着いていられます。



いいところばっかりじゃないんだね



そうなの。弱点も知っておくほうが、長く続けられるよ
1.「全世界」といっても、半分以上はアメリカ
オルカンは世界中に分散していますが、組み入れの約6割はアメリカの株です。そのため、アメリカの市場が大きく下がると、オルカンも影響を受けます。「全世界だから絶対安心」と思いすぎないことが大切です。
2.新興国の割合は意外と小さい
これから成長が期待される新興国(インド・台湾など)の割合は1割ほど。新興国がぐんと伸びても、その恩恵は限定的です。
3.為替(円高・円安)の影響を受ける
オルカンは外国の株が中心なので、円高になると、円で見た評価額が下がることがあります。中身が値上がりしていても、為替で目減りして見えることもあります。
4.短期では元本割れもある
株式の詰め合わせなので、値動きはあります。買ったあとすぐに下がって、一時的にマイナスになることもあります。すぐ使う予定のお金には向きません。
5.“ほどほどの平均点”をねらう商品
全体に広く分散する仕組みなので、特定の銘柄が何倍にもなるような派手なリターンは狙いにくいです。
コツコツ平均点を取りにいく商品、というイメージです。



どれも「株式投資の基本的な注意点」です。だからわたしは、「長期でコツコツ・余裕資金で」を守って続けています。
こうした注意点はありますが、低コストで世界中に分散できる手軽さから、長期の積立・分散投資の土台としては有力な選択肢だと思います。最終的にはご自身のリスク許容度に合わせて判断してくださいね。
500円からオルカンを積み立てられるの?
できます。主要なネット証券なら投資信託は100円から積立を設定できるので、500円はもちろん、もっと少額からでも始められます。
500円でも、毎月コツコツ積み立てることで「世界中の株に投資している」状態になれるのが、インデックス投資のおもしろいところです。
わたしは「まず500円(ワンコイン)で始めて、慣れてきたら金額を増やす」という流れをおすすめしています。最初は金額より「仕組みを理解して慣れること」の方がずっと大切だからです。



へぇ!500円でも、有名な会社の株主になれるの?



試しに500円分のオルカンを買ったら、おなじみの企業がどのくらい入っているか計算してみようか!
| 銘柄 | 500円のうち(目安) |
|---|---|
| NVIDIA | 約26円 |
| Apple | 約20円 |
| Microsoft | 約15円 |
| トヨタ | 約2円 |
※2026年4月末時点の組み入れ比率をもとに概算。市場の変動により変わります。



500円でNVIDIAに26円分、トヨタに2円分。
ぼくもりっぱな株主だ〜



そうだよ。小さくても、世界中の会社の株主の一人になれるんだよ!
わたしはマネックス証券を愛用しています。介護・老後・おひとりさまなど、これから老後準備を本格的に始める世代に向けた情報発信が多くて、わたしのように「そろそろ老後のことも考えたい」というアラフィフには本当にありがたい証券会社です。
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NISAとオルカンの組み合わせ


「NISA(ニーサ)のつみたて投資枠でオルカンを積み立てる」というのが、2024年以降もっとも広まった投資スタイルのひとつです。
NISAのつみたて投資枠を使うと、運用で出た利益に税金がかかりません(通常は約20%の税金がかかります)。長期積立との相性がよく、特に初心者にとって始めやすい組み合わせです。
わたし自身は相場の値動きを肌で感じる目的で、マネックス証券の特定口座での少額積立も併用しています。初心者の方はまずNISA口座だけで十分です。
NISAの始め方については、別記事でくわしく解説しています。
▼ NISAの始め方(SBI証券版)
【500円から】NISAの始め方|SBI証券で口座開設〜積立設定まで全手順を解説
▼ NISAの始め方(楽天証券版)
【500円から】NISAの始め方|楽天証券で口座開設〜積立設定まで全手順を解説
▼ NISAの始め方(マネックス証券版)
【500円から】NISAの始め方|マネックス証券で口座開設〜積立設定まで全手順を解説
オルカンとS&P500を比較!何が違うの?
投資の話でよくセットで出てくる「オルカン」と「S&P500(米国株式)」。
違いをひとことで言うと、投資する地域の広さです。
| オルカン | S&P500 | |
|---|---|---|
| 投資先 | 全世界(約50か国) | アメリカのみ |
| 銘柄数 | 約2,500銘柄 | 約500銘柄 |
| アメリカの比率 | 約60% | 100% |
オルカンは日本・欧州・新興国も含む世界分散、S&P500はアメリカ一本に絞った集中投資です。



どっちがいいの?ぼくはどっちも食べたい



これは本当に好みだよ。わたしは両方積み立ててる。どちらもNISAで始めやすい商品だよ
「世界全体に広く分散したい」ならオルカン、「アメリカの成長に集中したい」ならS&P500というのが一般的な選び方です。どちらが正解というわけでもなく、両方少しずつという方法もあります。
過去の実績では、S&P500の方がオルカンより高いリターンになる傾向がありました。ただし期間の取り方によって異なり、アメリカ株が低迷した時期はオルカンが有利なこともありました。
将来どちらが上回るかは誰にもわかりません。
▼ オルカンとS&P500の利回り比較・どちらを選ぶべきか、くわしくはこちら
オルカンとS&P500どっち?両方買うのは意味ない?毎日500円ずつ積み立てた結果
▼ S&P500についてはこちら
【500円から】S&P500とは何?米国を代表する500社への投資をわかりやすく解説
まとめ:オルカンは「世界丸ごと積み立て」できる商品


今回のポイントをまとめます。
- オルカンとは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の略称
- 世界約50カ国・約2,500銘柄に一本で分散投資できる
- 信託報酬が低く、長期積立コストを抑えられる
- NISAのつみたて投資枠の対象商品
- ネット証券なら100円から積立設定できる(500円もOK)
難しそうに見えるオルカンですが、仕組みはとてもシンプルです。「世界中の会社に、少しずつお金を預ける」というイメージさえつかめれば大丈夫。
まずは500円(ワンコイン)から試してみると、「あ、これなら続けられそう」と感じてもらえると思います。



ぼく、世界中のおやつも500円で試してみたいよ



それはもう少し予算がいるかな。でも投資は500円でも大丈夫だよ
▼オルカンは気になるけど、投資が怖い方へ


※この記事はしんげつ個人の体験をもとに書いています。投資は自己判断・自己責任でお願いします。特定の商品の購入を推奨するものではありません。

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