「オルカンの配当金って、いつもらえるんだろう?」
オルカンは世界中の会社の株に投資しています。その会社たちは、ちゃんと配当金を出しています。
なのに、わたしの口座には1円も振り込まれません。
振り込まれないこと自体は知っていました。
わからなかったのは、じゃあ会社が出した配当金はどこへ行ってしまったのか、という部分です。
もうひとつ、ずっとピンとこないことがありました。先輩投資家が口をそろえて言う「複利の力はすごい」「苗木さえ植えておけば、あとは勝手に育つ」ということ。
自分の口座を見ても、銀行の定期預金のようにどーんと増える日があるわけでもなく、複利の力を今ひとつ実感できません。
実はこの2つ、同じ話でした。配当金がどこへ行ったかを追いかけると、複利の姿が見えてくるんです。
おじいわんはいとうきん?ぼくのおやつが配られる日のことかな?



おやつじゃないよ。わたしもね、長いことよくわからなかったの。
毎日500円ずつ積み立てて3年10ヵ月。ようやく「なんだ、そういうことだったのか!」と腑に落ちた話を、この記事でおすそ分けします。
オルカンの配当金はいつもらえる?待っていても振り込まれません


わたしの証券口座をのぞいても、配当金の入金記録はゼロ。積み立てを始めて3年10ヵ月、一度もありません。
手続きを忘れているわけでも、積立額が小さすぎるわけでもありません。オルカンが、そういう仕組みの商品だからです。
「いつもらえる?」の答えは、「もらえる日は来ません」。でも、べつの形で受け取っているんです。
配当金と分配金はどう違う?オルカンが出さないのは分配金
よく似た2つの言葉があります。ここがあいまいなままだと、この先の話がぜんぶわからなくなります。
| 誰から誰へ渡るお金? | オルカンでは | |
|---|---|---|
| 配当金 | 会社 → 株を持っている人 | 出ています(受け取るのはオルカン自身) |
| 分配金 | 投資信託 → 買っているわたしたち | 出ません |
「配当金」は、会社が株主に払うお金。オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))が投資している世界中の会社は、ちゃんと配当金を出しています。
「分配金」は、投資信託の運用で得た利益の一部を、買っている人に払い戻すお金。こちらがオルカンでは出ません。設定されてから今まで一度も出したことがないんです。



たまたま出してないだけ?



ううん、もともとそういう作りなんだよ。
オルカンは、受け取った配当金を投資家に払い戻さない形をとっています。
ただし、将来もずっと「出さない」と決まっているわけではありません。方針が変わるときには、運用会社からきちんとお知らせがあります。
▼オルカンってそもそも何?という方は、こちらで基本から解説しています。
【500円から】オルカンとは何?全世界株式(オール・カントリー)を超わかりやすく解説
では、払い戻されなかった配当金は、どこへ行っているのでしょうか。
会社からの配当金はファンドの中で再投資されている


オルカンは全世界の約2,500社(2026年時点)の株式に投資しています。その会社たちが出した配当金は、いったんファンドに入ります。
そして、ファンドの中で自動的に再投資されて、また全世界の株を買う資金になっているんです。
イメージしやすいように、りんごの木で考えてみます。
投資信託を買うのは、りんごの木を植えるようなもの。
木は毎年、実をつけます。この実が、会社から届く配当金です。
ここで分かれ道があります。実を食べてしまえば、木は来年も同じ本数のまま。
でも実の種をまけば、木が2本、3本と増えていきます。木が増えれば、翌年の実はもっと多い。その実がまた木になる。これがいわゆる複利(利益が利益を生む仕組み)です。
オルカンの場合、この「種をまく」作業をファンドが自動でやってくれています。落ちた実を拾って植える手間すら、わたしたちにはありません。
増えるのは木の本数だけではありません。
木そのものも、年々太く大きくなっていきます。こちらが株価の値上がり分です。
ここ数年のオルカンの成長は、「木が太る」分のほうがずっと大きい。
実(配当金)の再投資は、静かに上乗せされていく部分です。
ただし、年数が長くなるほどこの上乗せ分は効いてきます。
増えた木がまた実をつけ、その実がまた木になるからです。
この「木が増えた」「木が太った」という状態は、投資信託の値段である基準価額(ふつう1万口あたりの金額で表示されます)に、その都度反映されています。
▼基準価額の仕組みについてはこちらをどうぞ。
【500円から始める投資信託入門】基準価額の仕組みと少額投資の魅力
いつかまとめて反映されるのではなく、毎日の基準価額の値段に組み込まれているんです。
「お財布に入る」代わりに「持っている投資信託の価値が育つ」形で、少しずつ受け取っているわけですね。
ただし、その値段のうち配当金(りんごの実)がいくら分だったのかは、内訳として見える形では出てきません。ちゃんと増えているのに実感しにくいのは、このためなんです。



見えないけど、もらってるの?ふしぎだね。



お財布には入らないけど、実が落ちた先で新しい木になる感じよ。木の数が、じわじわ増えていくんだよ。
もし自分が株主(その会社の株を直接持っている人)として配当金を受け取ると、そのたびに国内の税金(約20%)が引かれ、さらに自分で買い付けの注文を出す手間もかかります。
ファンドの中で再投資されるなら、税金を引かれる前の金額がまるごと次の買い付けに回る。しかもその作業を、運用会社が低い手数料でまるっとやってくれる。
この仕組みが理解できたときは「運用会社さん、とりまとめてくれてありがとう」という気持ちになりました。
ただし、税金がまったくかからないわけではないんです。
アメリカなど現地の国で引かれる税金(米国株なら10%程度)は、ファンドが会社から配当金を受け取る時点ですでに引かれています。分配金を出さないタイプではこの分を取り戻せません。それでも、自分で受け取って国内の税金も引かれて…とするよりは有利、ということです。
「複利は嘘」と感じる理由:実感できるのは10年単位だから


「オルカンの複利って嘘なの?」と言いたくなる気持ち、よくわかります。
「複利で勝手に増えていく」と聞いていたのに、わたしの口座も全然増えている気がしませんでした。
嘘ではありません。ただ、最初の数年間の複利は、目に見えないくらい地味なんです。
複利は「増えた分がさらに増える」仕組みなので、元本(最初に出したお金)が小さいうちは効果もほんの少しです。
りんごの木で言えば、植えたばかりの細い苗木が1本あるだけの段階。
採れる実は数個、まける種も数粒です。
木が増えるほど採れる実も増えて、増えるペースそのものも上がっていきます。だから複利の効果がはっきり実感できるのは、10年、20年と続けたあとになります。
わたしのように「1年のどこかで複利がどーんと来る」と期待すると、来ないのでガッカリします。
でもそれは複利が効いていないのではなく、まだ苗木が細いだけ。いまは根を張っている真っ最中なんです。
積立3年10ヵ月の実データ:この数字の中にも複利は含まれている


「10年待たないと何も見えないの?」というと、そんなことはありません。
わたしは2022年10月13日の約定(やくじょう。注文が成立して実際に買えたこと)分から、毎日500円ずつオルカンとS&P500に積み立てる「ワンコインデックス投資」を続けています。
3年10ヵ月がたった2026年8月末の時点で、損益率はオルカンが+62.13%、S&P500が+62.21%になりました。
ほとんど同じ数字ですね。オルカンは全世界に分散していますが、6割ほどが米国の会社。米国株が好調だったぶん、結果的に近い動きになりました。
大部分は、世界の株価が成長したおかげです。りんごの木でいえば、木が太くなった部分ですね。
加えて、ここ数年の円安も大きな追い風になりました。逆に言えば、円高に振れたときは、世界の株価が同じでも日本円で見た評価額は減ります。好調な数字は、円安の下駄も履いているわけなんです。
+約62%という数字の中には、約2,500社が生んだ配当金が再投資され、日々の基準価額に反映されてきた分も含まれています。
「どこへ行った?」と思っていた配当金は、姿を変えて働いてくれていたんです。
複利がどれだけ効いたのかは、切り出して見ることができません。それでも、確かに効いています。
この先、木が増えるほど、効き目は増していくはずです。
ただし、わたしが積み立ててきた3年10ヵ月は、たまたま相場が良かった時期でもあります。
りんごの木にも、台風の年や不作の年があるように、今までのように、同じペースで増え続ける保証はありません。
年によっては元本割れすることもあるでしょう。
だからこそ、下がった月も淡々と積み立てを続けられるかが大事だと感じています。
▼高いときも安いときも同じ金額で買い続けるやり方(ドルコスト平均法)については、こちらでくわしく書いています。
【500円から始めるドルコスト平均法】株価暴落時でも安心の毎日投資術
逆に、上がりすぎて怖くなってやめてしまう人もいます。わたしの知り合いにも、そういう方がいました。
下がっても上がっても心を揺さぶられずに投資を続けることが、実は一番むずかしいところだと思います。
▼毎月の実績はワンコインデックス投資日記で公開しています。よかったら読んでみてくださいね。
【AI株調整でオルカンも下落】2026年7月 ワンコインデックス投資結果 500円×45ヵ月の積立結果は?
なお、この毎日500円の積立は、マネックス証券の特定口座(NISAとは別の、利益に税金がかかる通常の口座)で行っています。毎日の値動きを肌で感じたくてこうしているだけなので、NISA(2024年からスタートした現行の制度。「新NISA」と呼ばれることもあります)を使う初心者の方は、まずNISA口座だけで十分です。
▼ わたしが毎日積立に使っている証券会社はこちら
口座の開設は申し込みだけで完了します。
入金も取引もしないまま、まず口座だけ作って寝かせておくこともできます。
「いつか始めたい」と思っている方は、気持ちが動いている今のうちに申し込みだけ済ませておくと、始めたくなった日にすぐ動けますよ。
S&P500の配当はいつ?→オルカンと同じ仕組みです
「S&P500の配当はいつ?」と気になっている方も、答えは同じです。eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)も分配金を出さず、米国500社が出した配当金をファンドの中で再投資するタイプ。オルカンとまったく同じ複利の仕組みで育ちます。植えている木の種類が違うだけ、というイメージですね。
▼S&P500の基本はこちらで解説しています。
【500円から】S&P500とは何?米国を代表する500社への投資をわかりやすく解説
▼「オルカンとS&P500、どっちを買えばいいの?」と迷っている方は、両方を毎日500円ずつ積み立てているわたしの結果をどうぞ。
オルカンとS&P500どっち?両方買うのは意味ない?毎日500円ずつ積み立てた結果
分配金が出るタイプもある?「ETF」と「オルカン高配当」
オルカンは分配金を出していませんが、世の中には分配金が出るタイプもあります。
よく名前があがる2つ、「ETF」と「オルカン高配当」も見ておきましょう。
「ETF」は実を受け取るタイプ
わたしはインデックス投資を始めたころ、「ETF」という言葉が急に出てきて迷ったことがあります。
ここで簡単に整理しておきますね。
ETF(証券取引所に上場している投資信託)は、株と同じように市場で売り買いできる投資信託のことです。たとえばMAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信(証券コード2559)は年2回、分配金が出ます。名前は似ていますが、オルカンの上場版ではなく別のファンドです。
| 投資信託(eMAXIS Slim 全世界株式・オルカン) | ETF(MAXIS全世界株式上場投信・2559) | |
|---|---|---|
| 分配金 | 出ない(ファンドの中で再投資) | 年2回出る |
| 複利を効かせるには | ファンドの中で自動的に効く | 受け取った分配金を自分で買い直す必要がある |
| 買い方 | 金額を指定して買える(100円から) | 1口単位で買う 株のように市場で買える |
りんごの木で言えば、投資信託は、実が自動で土に落ちて新しい木になるタイプ。
ETFは実を収穫して手元に受け取るタイプです。
「分配金を受け取る楽しみがほしい」という方には、ETFという選択肢もあります。
ただし受け取った実は、自分で植えないと木が増えません。
ほったらかしで複利を効かせたい初心者の方には、再投資型の投資信託のほうが手間いらずだとわたしは感じています。
大事なのは、分配金が出るか出ないかではありません。
分かれ目は、生まれた収益がどれだけ次の元本に戻るかです。ETFでも受け取った分配金を自分で買い直せば、木は同じように増えていきます。
ただし課税口座(NISA以外の口座)で受け取ると、受け取るたびに約20%の税金が引かれるので、植え直せる実は減ります。NISA口座ならこの約20%は引かれませんが、自分で買い直す手間は残ります。
【2026年9月30日】「オルカン高配当」が登場します
2026年8月26日、三菱UFJアセットマネジメントから「eMAXIS 高配当 全世界株式(オール・カントリー)配当払出型/資産成長型」、愛称「オルカン高配当」の設定が発表されました。設定日は2026年9月30日です。名前がそっくりなので、混同しやすいところを整理しておきますね。
これは、いまわたしたちが持っているオルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))とは別のファンドです。既存のオルカンの方針が変わるわけではありません。
違いを並べてみます。
| オルカン | オルカン高配当 | |
|---|---|---|
| シリーズ | eMAXIS Slim | eMAXIS |
| 中身 | 全世界の会社をまるごと | 全世界から配当利回りの高い会社に絞る |
| ものさし(指数) | MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス | 同・高配当利回り指数 |
| 分配金 | 出していない | 配当払出型は出る/資産成長型は出さない |
配当利回り(株価に対して1年間の配当金が何%にあたるか)が高いといっても、単に利回りの数字が大きい会社を選ぶわけではありません。配当を続けられるか、財務がしっかりしているかも見たうえで選ばれます。
りんごの木でいえば、実をたくさんつける品種を選んで植えるイメージでしょうか。



りんごがいっぱいなるの?



そのかわり、植える木を選ぶの。全部の木じゃないんだよ。
NISAで買う場合は、成長投資枠の対象です。
つみたて投資枠では買えないので、いまつみたて投資枠で積み立てている方は、そのまま置き換えることはできません。
なお、これは2026年8月26日に届出書が提出された段階の情報で、まだ届出の効力は発生していません。設定日までに内容が変わることもあります。
いま積み立てているオルカンの設定を、この発表を理由にあわてて変える必要はありません。
新しい商品は、実物が出て、しばらく様子見してからでも遅くないですよ。
まとめ:オルカンは分配金が出ないけど、配当金は今日も働いている
最後に、この記事のポイントをまとめます。
- 「配当金」は会社が出すお金、「分配金」は投資信託が出すお金。オルカンは会社からの配当金を受け取っているが、分配金は出さない
- ファンドが受け取った約2,500社の配当金は、ファンドの中で自動的に再投資されている。落ちた実の種を、ファンドが勝手にまいてくれているイメージ
- 自分で配当金を受け取って再投資する手間も、そのときにかかる国内の税金(約20%)もかからない
- 複利の分かれ目は分配金が出るかどうかではなく、生まれた収益がどれだけ次の元本に戻るか。いくら効いたかは数字から切り出せないが、わたしの500円投資データの中にも確かに含まれている
- 複利の実感は10年単位。最初の数年が地味なのは失敗ではなく成長している最中。ただしこの3年10ヵ月は相場が良かった時期で、同じペースで増え続ける保証はない
「複利ってすごいって言うけど、それって何なの?」とモヤモヤしていたかつてのわたしに教えてあげたいのは、目に見えないだけでちゃんと複利は効いているよ、ということ。
そして木が増えるほど、その力はとっても大きくなっていきます。
あなたが積み立てたお金の中も、世界中の会社が出した配当金が今日も静かに働いてくれています。



ぼくのおやつも、まいにちちょっとずつ増えたらいいワンねぇ。



おやつは増えないけど、おやつ代の積み立てなら増えるかもよ。
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これから積み立てを始めたい方は、使いたい証券会社の記事からどうぞ。
わたしがこの毎日500円積立に使っているのがマネックス証券です。


画面が見やすく、初心者の方でも操作で迷いにくいのが楽天証券です。


NISAで毎日いくら積み立てるかを金額で指定できるのはSBI証券です。


「そもそも投資を始めるのがこわい」という方は、こちらもどうぞ。


※この記事はしんげつ個人の体験をもとに書いています。投資は自己判断・自己責任でお願いします。特定の商品の購入を推奨するものではありません。

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