「NISAって、あとから金融機関を変えられるの?」
結論からお伝えします。変えられます。
そして、この手続きは時期がとても大事です。
ざっくり言うと、今年のうちに変えたいなら9月30日まで。それを過ぎると、変更が有効になるのは来年からになります。
わたしは実際に、NISA口座を楽天証券からSBI証券へ変更しました(この記事では、イメージしやすいように「お引っ越し」とも呼びます)。
手続きを始めてから完了まで約5週間。書類のやりとりで少しドキドキしましたが、無事に変更できました。
おじいわんお引っ越しって、荷物はどうなるの?



いい質問。これまでに買った投資商品は、前の金融機関にそのまま残るのよ。あとで詳しく話すね。
ネット証券をながめていて「やっぱりこっちの会社の方がいいかも」と思うこと、ありますよね。
- 銀行の窓口で始めたけれど、やっぱりネット証券にしたい。
- 貯めたいポイントがある。
- 買いたい商品を扱っていなかった。
理由は人それぞれです。
この記事では、NISA口座の金融機関を変更できる仕組みと、いつ・どんな書類で・どれくらいかかるのかを、わたしの体験と当時の写真をまじえてお話しします。
NISA口座の金融機関は変更できる


NISA(2024年からスタートした現行の制度。「新NISA」と呼ばれることもあります)の口座は、1人につき1つの金融機関でしか持てません。
でも「ずっと同じ金融機関でないとダメ」というわけではないんです。
原則として1年に1回、別の金融機関へ変更できます。
地元の銀行からネット証券へ、A証券からB証券へ、といった変更が可能です。
わたしの場合は、旧つみたてNISAで使っていた楽天証券から、SBI証券へ変更しました。
理由は、新NISAが始まるタイミングで、買いたい商品の組み合わせを見直したかったからです。
「変えられるなんて知らなかった」という方も多いのですが、ちゃんと制度として用意されている手続きです。
ただし、変更にはタイミングのルールがあります。ここを知らずに動くと「今年はもう変えられません」となることがあるので、次でくわしく説明します。
変更できるのはいつ?「10月以降」に注意


NISAの金融機関変更でいちばんつまずきやすいのが、この「いつ手続きするか」です。
おぼえるルールは、2つだけです。
ルール1:手続きには「9月30日」という締切がある
NISA口座は「何年に使う口座か」で考えます。
そして、その年に使う口座を変えるための手続き期間は、前の年の10月1日から、その年の9月30日までです。
たとえば2026年に使う口座を変えたいなら、手続き期間は2025年10月1日〜2026年9月30日。
この間に手続きを終える必要があります。
9月30日を過ぎると、その手続きは自動的に「来年分」のあつかいになります。
ルール2:その年に1回でも買っていたら、10月まで手続きできない
もう1つが買付のルールです。その年のNISA口座で一度でも買い付けをしていると、その年のうちは金融機関を変更できません。
ここが見落としやすいところなのですが、「今年は変更できない」だけでなく、手続きの受付そのものが10月1日まで始まりません。
今年すでに投資信託などを買付している方は、1月〜9月のあいだは申し込むことすらできず、10月1日を待つことになります。
気をつけたいのは、積立設定をそのままにしていると、知らないうちに今年の買付が済んでいることがある点です。「変えようかな」と思ったら、まず積立を止めておくと安全です。
積立設定は、証券会社のサイトやアプリの「積立設定」から解除できます。
この2つを組み合わせると、こうなります。
| あなたの状況 | 手続きする時期 | 変更が有効になるのは |
|---|---|---|
| 今年まだ一度も買付していない | 9月30日まで | 今年のうち |
| 今年まだ一度も買付していない | 10月1日以降 | 来年1月から |
| 今年すでに1回でも買付した | 10月1日以降のみ (1〜9月は受付不可) | 来年1月から |



今年もう買っちゃった人は、10月まで待つしかないんだね。



そうなの。でも焦らなくて大丈夫。10月に動けばいいのよ。
今から動くなら、いつまでに?
ここからは「今年まだ買付していない方」向けの話です。
わたしの体験では、手続きを始めてから完了まで約5週間かかりました。
書類が郵送でいったりきたりするので、思っているより日数がかかります。
さらに注意したいのが、9月30日というのは「税務署への提出が終わっている期限」だということ。証券会社の案内でも、9月中旬までの手続きが推奨されています。締切ぎりぎりに動くと間に合いません。
今年のうちに変えたいなら、5週間かかることを見込んで、8月中に動きはじめるのが安心です。
逆に、もう今年は間に合わないという方も、あわてなくて大丈夫。
10月1日から来年分の受付が始まります。落ち着いて準備すれば、年明けから新しい金融機関でスタートできます。



お引っ越しって、思ったより日数かかるんだね。



そうなの。だから思い立ったら、早めに動くのがいちばん。
変更に必要な書類と手続きの流れ


手続きは、大きく「今の金融機関」と「新しい金融機関」の両方でやることがあります。流れはこうです。
書類の名前は覚えなくて大丈夫です。案内に沿って進めれば、必要なものは向こうから届きます。
- 今の金融機関に「他社への変更手続き」を申し込む
⇢「勘定廃止通知書(かんじょうはいしつうちしょ)」が届く - 新しい金融機関に「NISA口座開設」を申し込む
⇢「非課税口座開設届出書」(新しい金融機関でNISA口座を開くための申込書)が届く - 新しい金融機関に「勘定廃止通知書」+「非課税口座開設届出書」+「本人確認書類」を出す
- 新しい金融機関が税務署に確認をとる
- 審査が通れば、新しい金融機関でNISA口座が開設完了
わたしの楽天証券からSBI証券へのお引っ越しのときも、まさにこの流れでした。
まず楽天証券に廃止の申し込みをして、「勘定廃止通知書」を送ってもらいます。
それと並行してSBI証券に口座開設の申し込みをすると、SBIから「非課税口座開設届出書」が郵送されてきました。


その届出書に、楽天から届いた勘定廃止通知書と本人確認書類を添えて、SBIへ郵送しました。
書類がそろえば、あとは審査を待つだけです。



書類、あっちこっちに出すんだね。



そうなの。でも一つずつ順番にやれば大丈夫。案内どおりに進めればちゃんと着地するよ。
どれくらいかかる?わたしは約5週間でした
「変更したいけど、どれくらい時間がかかるの?」というのも気になりますよね。
わたしが実際に手続きしたときのスケジュール(2023年)を公開します。
| 日付 | できごと |
|---|---|
| 2023年10月10日 | 楽天証券に廃止を申し込み・SBI証券に開設を申し込み |
| 10月16日 | SBI証券から「非課税口座開設届出書」が届く |
| 10月20日 | 楽天証券から「勘定廃止通知書」が届く |
| 10月21日 | SBI証券へ3点の書類を郵送 |
| 11月8日 | SBI証券から「申込完了」の通知が届く(ここから税務署の確認) |
| 11月17日 | SBI証券でNISA口座の開設が完了 |
10月10日に動きはじめて、完了は11月17日。ちょうど5週間ほどかかりました。
翌年から新NISAが始まるタイミングだったので、間に合うかドキドキしながら待っていた記憶があります。


書類のやりとりが郵送だったこともあり、思ったより日数がかかりました。
とくに新しい金融機関が税務署に確認をとる期間は、こちらでは早めようがありません。
ただ、わたしのときは書類がすべて郵送でしたが、今はWEB申込や電子交付に対応している会社もあります。
もう少し早く済むかもしれません。
いずれにしても、変更を考えているなら早めに動くのがおすすめです。
これまでに買った投資商品はどうなる?


ここが多くの方が心配するポイントです。「これまでに買った投資商品は、新しい口座に持っていけるの?」という疑問ですね。
答えは、新しい金融機関のNISA口座には移せません。これはNISA制度の大事なルールです。
ではどうなるかというと、売らないかぎり、元の金融機関のNISA口座で非課税のまま持ち続けられます。勝手に課税されたり、消えたりすることはありません。
そして、元の金融機関でできるのは「売却」だけになります。新しい買い付けは、引っ越し先の金融機関のNISA口座で行うことになります。
つまり、金融機関を変更すると、
- これまでに買った投資商品 → 元の金融機関にそのまま残る(非課税で保有継続・売却のみ可能)
- これから買う分 → 引っ越し先の金融機関で
という形になり、資産が2つの金融機関に分かれることになります。



荷物は前のおうちに置きっぱなしなんだね。



そうなの。無理に運び出さなくていいのよ。
売りたくなったら、前のおうちから出せばいいのよ。
もし「1か所にまとめたい」という場合は、元の金融機関の投資商品をいったん売却して、新しい金融機関で買いなおすという方法があります。ただし売却して買いなおすと、その分の非課税枠を新たに使うことになるので、あわてて動く必要はないと思います。
なお、もしも売却した場合は、非課税枠は売った次の年に復活します。非課税枠は国税庁が一括で管理しているので、引っ越し先の口座で使えるようになります。
金融機関変更のデメリット・注意点


体験してみて感じた、変更前に知っておきたいポイントをまとめます。
まず、さきほどお伝えしたとおり、これまでに買った投資商品は移せません。
資産が元の金融機関と新しい金融機関に分かれるので、残高の管理が少し手間になります。
次に、手続きに時間がかかります。わたしは約5週間でした。
「今すぐ新しい口座で買いたい」と思っても、すぐには買えません。
そしてもう1つ、意外と知られていないのが、手続き中はNISA口座で新しい買い付けができない期間ができることです。変更を申し込むと、元の口座では買えなくなり、新しい口座はまだ開いていない、という空白ができます。
わたしの場合は、この空白が1か月ほどありました。積み立てを止めたくない方は、この期間があることを頭に入れておいてください。
そして、タイミングのルール。
10月1日以降の手続きや、その年にすでに買付をしている場合は、変更が有効になるのは来年からです。
「変えたい年に投資商品を買う前」「できれば早めに」が合言葉です。
| 注意点 | ひとことメモ |
|---|---|
| これまでに買った投資商品は移せない | 元の金融機関で非課税のまま保有継続・売却のみ可能 |
| 資産が2か所に分かれる | 残高の管理がやや手間 |
| 手続きに時間がかかる | わたしは約5週間 |
| 手続き中は買い付けできない空白ができる | 元の口座は買えず、新しい口座はまだ開いていない状態 |
| 変更は年1回・タイミング注意 | 10月以降や買付後は来年から |
なお、金融機関の変更そのものに手数料はかかりません(主要なネット証券の場合)。
お金の面での損はないので、そこは安心してください。
もうひとつ、これは聞いた話です。職場の60代の先輩が、銀行で開いたNISA口座をネット証券に変えようと窓口へ行ったところ、あれこれ聞かれてなかなか書類にたどり着けなかったそうです。
ネット証券の場合は、手続きを全部自分で進めることになります。
誰も代わりにやってくれません。そのかわり、対面でやりとりする煩わしさもありません。わからないときはサポートセンターに電話できます(時間帯によっては、なかなかつながりませんが)。
どちらがラクかは人それぞれです。「相談しながら進めたい」のか「自分のペースで黙々と進めたい」のかで、感じ方はだいぶ変わると思います。
逆に言えば、ここさえ押さえておけば、変更そのものは決してむずかしくありません。案内どおりに書類を出していけば、ちゃんと変更できます。
まとめ:NISAの金融機関はちゃんと変えられる


NISA口座の金融機関は、あとからでも変更できます。わたし自身、楽天証券からSBI証券へ実際に変更しました。
- NISAの金融機関は原則1年に1回変更できる
- 手続き期間は前年10月1日〜その年の9月30日(実質の締切は9月中旬)
- 今年すでに買付をしている方は、10月1日まで手続きの受付が始まらない
- 必要なのは勘定廃止通知書・非課税口座開設届出書・本人確認書類
- かかる時間はわたしの場合で約5週間。今年のうちに変えたいなら8月中に動きはじめると安心
- これまでに買った投資商品は移せないが、非課税のまま持ち続けられる



ちゃんとお引っ越しできるって、安心だね。



でしょ。仕組みさえ知っておけば、こわくないのよ。
「この証券会社に変えたいな」と思ったら、まずは変更先の口座を決めるところからで大丈夫です。3社それぞれの始め方は、手順つきで別記事にまとめています。
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※この記事はしんげつ個人の体験をもとに書いています。投資は自己判断・自己責任でお願いします。特定の商品の購入を推奨するものではありません。

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